この夏シネマ5がイチオシの映画「マン・オン・ワイヤー」。1974年、今は無きニューヨークのツインタワーに一本のワイヤーを張り、地上411mのその上を優雅に歩き渡った男のドキュメンタリー。「人生はエッジの上を歩かなくては意味がない」と言った綱渡りの男フィリップ・プティの人生観。設立10年目を迎え自社の拠点を構えた大分の映像制作会社サルプロ。常に人生のエッジを歩いてきたサルプロディレクターの日野誠吾氏と北川まさや氏。映画「マン・オン・ワイヤー」に共通するふたりの半生にシネマ5の大西明美さんが迫る。
映画 マン・オン・ワイヤー|MAN ON WIRE ホームページ
フクロウのロケから「弟子になれ」って言われて15年
- 大西
- まずはふたりの自己紹介というか簡単にプロフィールを教えていただいてよろしいですか?
- 日野
- 僕は大分に生まれ高校まで大分にいまして、大学進学をきっかけに福岡に出ました。当時の彼女が福岡にいたので追っかけて行ったって感じですね。そんな気持ちで行ったものだからほとんど大学にも行かず1年たらずでやめました(笑)。で、プータローというか彼女に食べさせてもらったり、パチンコ行ったりヒモみたいな生活してて。それで大分に帰ったんですけど、それでもブラブラしてた時、ある日師匠になる映像カメラマンと出会いましてそれからずっとこの業界にいます。それが21歳の時。その日から15年。

- 大西
- 師匠との出会いとは?
- 日野
- ある日、一日だけTV番組制作のバイトに現場のアシスタントとして行ったんですよ。アシスタントと言ってもただの物運びです。同級生がこういう仕事してて、彼から人が足りないからどうしてもこの日だけ来てくれと頼まれて行ったら24時間撮影みたいな現場でずっと張り込み状態。そこで師匠に出会って、撮影終わって飲みに連れて行かれて「お前弟子になれ」って言われて、そこから15年です。
- 大西
- 師匠はなんでいきなり「弟子になれ」なんて言ったんでしょう。撮影現場で何かやらかしませんでした?
- 日野
- うーん、どうかな。現場が山の中でフクロウが来るのをひたすら待つという過酷なロケだったんですよ。みんなが仮眠とったりしながら交代でやってる中、僕はひとり不眠不休で張り込んでたんですよ。
- 大西
- フクロウは来たんですか?
- 日野
- いや、来なかったんです。しかもその企画自体がボツになって(笑)。
- 大西
- その根性が買われてということでしょうか。
- 日野
- さぁどうでしょうね。とにかくその徹夜明けの夜飲みに行って「弟子になれ」って言われてなにか運命的なものを感じたんですよ。自然な感じだったんですよ。

- 大西
- 仕事もやってない時に突然過酷な仕事に、当時はわからないけど、今時の21歳だと「めんどくさい」って感じになる子が多いと思うんですよ。そうは思わなかったんですか?
- 日野
- 実は昔から探偵とかに興味あって張り込みが楽しかったんですよ(笑)。ずっと待つって日常にないじゃないですか。それまで昼間はパチンコして夕方になるとお姉ちゃんを繁華街に送っていってという生活してたんで。
- 大西
- そんな生活とこういう業界って全然違うじゃないですか。むしろ真逆にあると言うか。その辺に自分のギャップはなかったんですか?
- 日野
- やっぱりありましたね。で、お姉ちゃんとはすぐに別れましたね。この世界に少し触れて「楽しい!」って思ったから。そんな生活はそれ以上続けられなかったですね。なんなんでしょうね。でも、その日のバイトが大きかったですよ。
- 大西
- サルプロで働くことになったのは?
- 日野
- サルプロは10年前に今の社長と今はもう辞めたもうひとりと自分と3人で立ち上げました。当初は全員フリーの映像カメラマンの集まりでした。
- 大西
- 現社長と師匠は違うんですか?
- 日野
- 違います。師匠は今も現役でフリーでやってます。
- 大西
- じゃあ、師匠から独り立ちして会社を作ったという感じですね。
- 日野
- そうですね。
- 大西
- サルプロはどういう活動をされているんですか?
- 日野
- TV番組制作が主な仕事です。当初はカメラマンや音声など技術だけでしたが、今は企画からディレクターまでやります。他にもCM制作や例えば大分トリニータの試合のVTR制作や演出など映像に関わることならなんでもします。

映画 マン・オン・ワイヤー|MAN ON WIRE2008年度アカデミー賞最優秀ドキュメンタリー賞受賞作品
空に近づきたかった。
夢に近づきたかった。
1974年、ニューヨークのワールドトレードセンター。
人生を賭けた綱渡り。美しき自由の伝説。
シネマ5にて上映中
http://www.cinema5.gr.jp/
■7月18日(土)〜7月24日(金): 朝9:50 昼2:20 夜6:50
■7月25日(土)〜7月31日(金): 朝9:50 夜9:05
■8月1日(土)〜8月7日(金):昼12:10 夜6:40
プティがツインタワーの綱渡りをした日を記念して8月7日は(金)はこの映画の鑑賞料金は1000円均一です
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フリーランスのカメラアシスタントを経てカメラマン兼ディレクターとしてSAL-PROに在籍。バラエティを中心にスポーツ、CMなど幅広いジャンルで活躍している。

