楽しみながら途上国を支援
大分市出身で、東京医科大学に通う石松宏章さん(25)が取り組む“今どき”のボランティア活動が注目されている。関東の医大生らでチャリティーイベントを開き、益金でカンボジアに小学校、診療所を建設。その様子をまとめた著書「マジでガチなボランティア」は昨年10月、講談社文庫から出版された。石松さんが始めた「ラブチャリ」(ラブチャリティー)と呼ばれるイベントに、全国の若者が楽しんで参加している。
大分上野丘高校卒業後、内科医を目指し同大に進学した。医大生仲間とサークル「グラフィス」をつくり、学生が楽しめるチャリティーイベントを主催。2006年、その益金でカンボジアに小学校を建てた。
「活動を多くの人に伝えたい」。08年、そんな思いで、上位入賞者に本の出版チャンスが与えられる「出版甲子園」に出場、グランプリに輝いた。さらに09年には、カンボジアの無医村に診療所を開所した。著書の印税は、小学校と診療所の運営に充てる。
気軽に始めたボランティアだったが、カンボジアを訪ねて思いは変わった。劣悪な環境のエイズ病棟で、満足な治療が受けられない患者と接した。小学校の開校式では無邪気に喜ぶ子どもの笑顔に触れた。
「僕たちが動いても大河の一滴かもしれない。でも行動し続けることで、ほんの少しだけど世の中に変化を生み出した」と感じるようになった。
「人の役に立ちたいと思う学生は多い。ならばチャリティーにもっと親しみを持ってもらおう」。そう考え、若者が音楽に合わせて踊りなどを楽しむイベントを開催。これを「ラブチャリ」と名付けた。現在、東京や大阪、福岡など全国6都市で定期開催し、多くの学生らが参加している。
寄付だけで発展途上国が抱えるさまざまな問題が解決するとは思っていない。石松さんは「まず発展途上国に行ってみてほしい。現地を見て、感じることが、解決への一歩につながると思う」と話している。